第1章 暴走デザイア! 【フロイド】
「ひっ…!?」
急に頭上から声がした。
びっくりして振り向くと、そこにはニヤニヤと笑うフロイド先輩…
「あ、アズール先輩が探してましたよ!」
「知ってる~、さっきまでかくれんぼしてたんだけど見つかっちゃったんだよねぇ。」
そう話しながら彼はジャケットを脱ぎ、制服のボタンを外し始めた。
「ちょ、着替えるんですか!?// 私出ていくのでもう少し待っ…「いいよそんままで、あっちむいてて?」…っはい…//」
後ろを向いて、着替えが終わるのを待つ。
はぁ、私ここに何しに来たんだっけ?なんだか何も考えられなくなってきた…
「な~んてね♡」ギュッ
「うわっ!?」
上半身に何も纏わないフロイド先輩が、急に抱きついてきた。
「びっくりしたじゃないですか!//// 早く寮服に着替えてくださいっ///」
「着替えるけど~、せっかく小エビちゃんと2人きりになれたんだしちょっとくらいいいじゃ~ん」
首筋にちゅ、と軽くキスされる。
「あっ// だ、ダメっ// 私そこら辺に傷があるっていわれて絆創膏を貼りに来ただけなのでっ…//」
「傷ぅ?そんなもんどこにもないよ」
彼が何か喋る度にかかる吐息がくすぐったい。
無駄に顔がいいから、うん。
ちょっとした事で胸が張り裂けそうなくらいドキドキしてしまう自分が恥ずかしい。
「ま、オレがつけたキスマークならしっかりあるけどね」
「今なんて言いました?」
思考がストップする。
…キスマークだって?
「キスマークだよ?小エビちゃんが寝てる間につけたんだ~」
「ええええっ!?私今まで何てものをお客さんに見せて歩いてたの…!?」
一気に顔が赤くなるのが自分でもわかる。
同時に、フロイド先輩の私を抱きしめる力が少し強くなるのを感じた。
「こんなの"お客様"の前に晒せないよねぇ?」
「ほんと何してくれてんですか…!これじゃジェイド先輩たちに迷惑かけまくりですよ!絆創膏を貼るの手伝ってください!」
絆創膏を渡そうとした、その手をぐっと掴まれる。
「何?オレがつけたのが嫌だって言いたいワケ?」
ゾッ…
背筋が冷え、一瞬で動けなくなった。