第5章 狂熱エクスタシー!【イデア】
それで、結局どうしようもなくなったイデアは、彼女を無理やり部屋から追い出してしまったのだった。
「監督生さんプリントの毛布…ふむ、モストロ・ラウンジのポイントカード5000ポイント分の景品にしたら儲かりそうな品物ですね?」
「アズール氏ちゃんと僕の話聞く気あります???」
"あははは、冗談です"と乾いた反応を示す彼に、イデアは少しだけイライラしていた。
「監督生さんのことを狙っている人は多いですから、彼女も慣れているんじゃないでしょうかね?」
「慣れているって…何に?」
「熱狂的なファンにですよ。この前はサバナクロー寮生から執拗なアプローチを受けていて、かなり悩んでいましたよ。僕に睡眠薬を作って欲しいと懇願してきたほどに…。」
もしかしたら、自分も彼女を悩ませる原因のひとつになっているかもしれないと思うと、どうしようもないことをしてしまったような気がして、余計に悲しくなった。
「ちょっと頭冷やして考え直すでござる…もう1週間は部屋から出ない」
「…仕方ありませんね、イデアさんも…。」
その次の日の事だった。
「イデアさんイデアさーーーん!!」
「うわっ…え??……え!?!?監督生氏!?!?」
「お願いがあるんです!とっても個人的なお願いなんですけど、きっとイデアさんにも悪い話じゃないと思うので…!!」
もう二度と話すこともないと思っていた監督生氏が、話しかけてきたのだ。
もう緊張して心臓バックバクだし目は回るわ頭は痛いわで……
それでもしっかりしろ、イデア。
ここは大人しく命令を聞き入れて、この前の失態を詫びて、残りの学園生活をこれ以上肩身の狭い思いしなくていいように許してもらおう、うん。
きっとお願いとやらを聞けばあのことは忘れてくれると信じて____。
「イデアさん、それで…お願い聞いてくれますか?」
「はい!聞きます!君の言うことならなんでも聞きます!」
「あの、これなんですけど…」
彼女が僕に見せてきたのは、最新のホラゲ。
「ホラゲめっちゃ好きでやってみたんですけど、怖すぎて1人で出来なくて…アズール先輩から、イデアさんならこういうの得意だって聞いたんですよ」
は???
アズール氏、神か??
神なのか???