第5章 狂熱エクスタシー!【イデア】
「アズール氏!!」
「な、なんですかいきなり大声を出して…」
「拙者もう駄目でござる…!!監督生氏と付き合うなんて陰キャの極みには無理だってぇ!!」
「イデアさん落ち着いてください…っ!!」
ピーピーと喚き散らすこの男は、イデア・シュラウド。
彼は今、毎回楽しみにしていたはずのボードゲームすらまともにできないほどの、重大な悩みを抱えていた。
「はああああああああ…もうだめだ…死ぬ…拙者のHPはもうとっくの昔に0になっている……」
「せっかくお近付きになれたんですから、もっと喜んだらいいじゃないですか」
「お近付きになれたァ…?あれのどこが!!!近づいたと言えるのか!!」
遡ること5日前…
寮長会議にいつも顔を出さないイデアを心配して、学園長が監督生であるに様子を見に行くように言いつけた。
"オンラインではちゃんと参加してるんだから対面でやる必要ないじゃん…"なんて言い訳をし続け、出席を断り続けてきた彼だけれど、監督生が部屋まで押しかけてきたとなれば話は別なのである。
「イデアさーん、です!お邪魔してよろしいでしょうか!」
「ヒェェエッ!?お、おおお女の子…ッ!?」
はイデアの返事を待たずに部屋に押し入った。
あまりのことに焦りもピークを迎えてしまった彼は、咄嗟に近くにあった毛布を深く被ったのだ。
「イデアさん、たまには寮長会議に出席してくださいと……学園長…が…」
…毛布越しからも、彼女の表情が引きつっていくのがわかる。
そりゃ男子校に1人おなごという状況でも両手にオスを抱えて笑って毎日をエンジョイしているような陽キャ女子なら僕みたいな奴見たらそうなるだろうな。
冷や汗を流しながら、自暴自棄になるイデア。
「えっと…それ、私…ですよね?」
「______しまったああああああああぁぁぁ!!!」
そう、見られてしまったのだ。
先程イデアが篭った毛布は、絶対に誰にも見られてはいけない秘密の逸品____
彼特性の、がプリントされた男性向け毛布だったのだ…。