第1章 暴走デザイア! 【フロイド】
「アズール先輩っ!!申し訳ありませんただ今『約束の時間から15分も過ぎていますよ!一体どこにいらっしゃるんです!』_すみませんっ!今すぐ行きます…!!」
やっば…!!これは相当怒ってる…!!
電話越しからも伝わってくる。今日のモストロ・ラウンジは相当混んでいるのだろう。
なんて言い訳しよう…??寝過ごしただなんて絶対言えないし、そんなこと言おうものならジェイド先輩まで冷ややかな目で見てくること間違いなしじゃん…っ
鏡の間に滑り込み、オクタヴィネル寮へ向かう。
「すみませんでしたぁ!!」
「さん、お疲れ様です__ふふっ、そんなに慌てていたんですか?髪が大分乱れていますよ」
ジェイド先輩が失笑しているが、もうこの際髪などどうでもよかった。
とにかく早く着替えてここを手伝わなければ。
「あ、アズール先輩っ!」
「やっと来ましたか。今日は見ての通りお客様が多く、僕達だけではなんともなりません…」
先輩にしては珍しく、こんな時にフロイドがいないなんてどーのこーの…とボヤいている。
「…え、フロイド先輩連れてきた方が良かったですか?」
「居場所がわかるんですか?」
「分かるも何も、さっきまで一緒に…「なぜそれを先に言わないのです!!」_ひえぇぇえすみませんっ!!」
「全く…僕が探してきます。場所はどこですか」
私は彼にフロイド先輩の居場所を伝えた。
「なるべく早く戻ります。それまでここを頼みますよ。」
「はいっ!任せてください!」
それにしても今日は本当に人が多いな…
注文をとってもとっても終わらない。
あまりの忙しさに頭がぐるぐるしてきた時、後ろから聞き慣れた声がした。
「おっ!じゃん!」
「えっ!?なんでオクタヴィネルに??」
「エースとデュースじゃん!いらっしゃいませ~」
なんだかこの2人にモストロ・ラウンジのようなオシャレな店は似合わない気もするけどね
いつものように注文を聞いて、下がろうとした時だった。
「、首の裏ところ…何かケガでもしたのか?」
「えっ?」
首…?
怪我をした記憶は全くない。
「ちょっと裏で確認してみるね」
「エースっ、あれって怪我じゃなくてもしかして___」