第1章 暴走デザイア! 【フロイド】
「すー…すー…」
魔法史の授業が終わり誰も居ない教室で、とグリムは寝息を立てていた。
いつもはグリムを叩き起すのがの務めなのだけれど、
頬を掠める爽やかな風と、ふわふわとした毛玉が を眠りから覚ましてはくれなかった。
「…あれ、小エビちゃん♡こんな所で何してんの~?」
「すー…すー…」
「あーれぇ?超寝てるじゃん。めずらしー」
すやすやと眠るの髪に触れる。
「小エビちゃんてこんなに可愛かったっけ?あー…早く起きねぇかな」
後ろから覆い被さるように抱きつき、耳に優しくキスをする。
「ん…っ、」
「あ、ちょっとくすぐったそうにしてる」
そのまま彼女の細い首筋に唇を這わせ、小さなキスマークをつけた。
「…っ、くすぐった…」
「ねぇ?…こんな所で寝てないで、オレと遊んでよ」
「_______んぇ…フロイド先輩っ!?!?」
目を開けると、目の前には嬉しそうに目を細めるフロイド先輩。
「小エビちゃ~ん♡やっと起きたね?」
「ここで何してるんですか!?」
「小エビちゃん達こそなんでここにいるの~?」
「魔法史の授業を受けてて、そのまま寝ちゃってたみたいです」
「アハハっ!授業中に寝るなんて悪い子~」
えへへ、と照れ笑いする
「…でも、なんか放課後に用事を頼まれていたような気もするんですよね」
寝ぼけた頭をフル回転させて思い出そうとするけど……無理だ。全く覚えていない。
「あ、そういえばアズールも小エビちゃんのこと探してたかも」
「………それだあぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ふなぁ!?」
そばで眠っていたグリムを放り投げる勢いで立ち上がる。
ピピピピ……
制服のポケットで、私のスマホが控えめに鳴った。
画面にはアズール先輩の名前…
これはやばい気がする!!やばい気がするぞ…!!
「フロイド先輩っ、そういうことなので私はこれで…!!」
「え~…つまんないけど仕方ないね、行ってきなよ」
「…その格好のまま、ね?小エビちゃん♡」