第2章 争奪ヒロイン!【リドル】
無言で2人で歩いていると、彼が急に立ち止まった。
そして持っていたスペアキーのようなものを使って鍵を開け、空き教室に入る。
……え、なんでそんな鍵持ってんのすごいじゃん。
寮長ってそういう権限もあるのかな?
__ぎゅっ____
「リドル…先輩……?」
くだらないことを考えていたら、急にリドル先輩に抱きしめられた。
まるで時間が止まったように、私の思考も停止する。
「…2人の時は、呼び捨てで呼ぶと決めただろう」
「…リドル」
名前を呼ぶと抱きしめる力が少しだけ強くなり、心做しか身体もぷるぷると震えているような気がする。
「…どうしたの?どこか具合でも悪い?」
「違う」
上目遣いで彼の表情を伺えば、まるで駄々をこねる子供のように拗ねた顔をしていた。
「のよく言っていた"用事"というのは、エース達と遊ぶ事だったのか…?」
「…え?」
ゆっくりと身体が離れる。
肩を掴まれたまま目線を合わせると、彼の大きな瞳からは涙が零れ落ちそうになっていた。
「えっリドル?ほんとにどうしたの?」
「…僕は毎日と一緒に居たいのに…君はいつも"用事"があるとだけ言ってどこかへ行ってしまうだろう」
_嗚呼、そんな風に思ってくれていたんだ。
好きなのは、ずっと一緒に居たいと思っていたのは私だけじゃなかったんだ___
「ふふっ、リドルだいすき」
「ッ!?//// …急に何を…////」
気持ちを伝えると、私から目を逸らしてしまった。
_どうしてそっぽ向くの、私の事もっと見て欲しいの_
私の手が自然とリドルの頬に伸び、そのままぐっと引き寄せる。
…ちゅっ
「__っ、からなんて珍しいじゃないか…っ//////」
「えへへ、我慢できなくてちゅーしちゃった…////」
彼の柔らかい唇の感覚が、たまらなく愛おしい。
「…っ、僕は1度じゃ足りない」
「えっ、リドル…んぅっ///」
触れるだけのいつものとは違う、深くて激しいキス。
お互いの慣れない吐息が、誰もいない教室に響く。