第1章 あなたと【スティーブン】
「えぇっ!?」
クレアは突然のことで顔を赤くして、
スティーブンを見上げた。
「気に入らないな。」
スティーブンは先程と違う低いトーンで
押し倒したクレアを見下げそう言った。
「なっ、なにがですか!?」
クレアは緊張と動揺で
よくわからなくなっていた。
「…関心しないな、
男の前でそんな顔をするなんて。」
スティーブンはクレアに更に顔を寄せてきたため
ぎゅっと目を瞑った。
スティーブンは耳元でクレアの
名前をそっとよんだ。
しばらくの間、顔を寄せていたが、
スティーブンは、
押し倒していたクレアからそっと離れた。
「すまない…ちょっと、やりすぎた。」
スティーブンは先程の真剣な顔ではなく
いつものスティーブンだった。
クレアはスティーブンから
距離が離れても、変わらず緊張したままだった。
「は、はぁ。」
クレアはわけがわからなかったが、
少し考えて、
「(もかして、からかわれた!?)」
と少しムッとした。
「いや、その、すまない、でも…
これからは僕にも
気軽に話しかけてくれたら嬉しい。」
クレアは「はぁ…。」と返事をした。
その日はデータ分析を再開し、
スティーブンの手伝いのおかげで
終わりが見えてきたため、無理せず、
それぞれ休憩用の部屋で休ませてもらうことにした。