第1章 あなたと【スティーブン】
スティーブンとプライベートの付き合いなど
なかったため、家に行くのはもちろん初めてだった。
クラウス家ほどではないが、
大きく綺麗な家だった。
この人も何者なんだろうとクレアは思った。
スティーブンは仕事終わりで
お腹が空いているであろうと、
ご飯を用意してくれた。
クレアは用意を手伝うと言ったが、
「座ってて。」とスティーブンに言われたため、
大人しく待つことにした。
スティーブンの家は、
通いの家政婦がいるらしく、
彼女がご飯を用意してくれていたのだという。
今日は客が来ると伝えており、
多めに作ってもらったとのことだった。
クラウス家の食事もとても美味しいのだが、
また違った美味しさがあり、
クレアは美味しく頂いた。
そんなクレアを見てスティーブンも微笑んだ。
「ごちそうさまでした。」と、
片付けは手伝います!
とクレアが譲りそうになかったため、
スティーブンと二人で片付けをした。
スティーブンはお茶を淹れるといって、
クレアをソファで座っているように申し付けた。
クレアはまた色男が隣に!?と思ってしまったが
何も言わずソファに座って、
部屋の周りを眺めて待っていた。
スティーブンらしいのか、
リビングは必要最低限のものだけで、
観葉植物くらいしかなかった。
スティーブンはカップに紅茶を淹れてくれた。
またもや、クレアは驚いた。
仕事の休憩中は、ココアを飲んでいることが
多かったが、食後は紅茶が多かったからだ。
スティーブンはコーヒーを飲んでいた。
「話がある…って言ってたことだけど。」
スティーブンが口を開いた。
クレアは美味しいご飯とは一変して
緊張が走った。
もしかすると、説教の続きか何かと少し引き締めた。
「僕は、君のことをずっと見ていたんだ。」
「…へ?」
突然のことでクレアは変な声が出た。