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【血界戦線】中編

第1章 あなたと【スティーブン】


これも過去の話だが、
クレアが非番の日に、申し訳ないと思いつつ、
彼女のパソコンにアクセスをし、
データを抜き取った。

ライブラでは、もし本人が急に行方をくらましたり、
亡くなってしまったときのための、
専用キーを上層のクラウスと僕と、
ギルベルトさんには付与されていた。

そのため、専用キーを持つ
僕たちならアクセスはできるが、
僕たち以外に
彼女のパソコンにアクセスをするのは不可能だ。

彼女ほどの技術者であれば、付与されたパソコンに
そのキーが埋め込まれていることくらい
わかっただろうが、おそらくクラウスたちを
信用して対策はしなかったのだろう。

中のデータは報告のあった
データがほとんどだったが、
一部、僕が知らないデータがあり、顔をしかめた。

しかし、大したデータではなかった。
以前こんなニュースがあった。
小さな拠点で、奴隷のように使われている
子供たちが居た。警察はあるはずのないデータが
警察内のパソコンに入っており、
その場所を特定できたという。

子供たちは無事に解放され、犯人は逮捕された。

そのデータ時のだと思われる
データが含まれていたのだ。
データの更新日が、ニュースに出た日より数日と古かった。
警察にデータを渡したのは
クレアのパソコンからだろう。

申し訳ないが、この程度の
小規模はライブラの仕事ではない。
クラウスの命令か?
…だとしたら僕の耳にも入るはずだ。
クラウスを誰よりも信用しているし、
彼は嘘を付けない男だったからだ。

クラウスが嘘をついていないのであれば、
彼女の単独行為となる。

その他にも、小規模のデータはあったが、
どれも悪いことではなく、
むしろ知らない誰かが救われていた。
主に、子供の関連が多かった。

クレアの出生の事情からか、
彼女は、恵まれない子供に対して
同情をしているのか。

この単独行為を報告するべきか迷ったが、
僕自身も、クラウスに内密に動いている
案件があることは、事実だった。

僕は知らぬふりをすることにした。
閲覧を終え、抜き取ったデータを削除した。
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