第11章 愛 2
「……っと」
立ち上がったとたんに、体がふらついた潤を慌ててつかまえる。
小さく、
「ごめん……」
と、謝る潤に、
「いいから」
と、腰を支えてやり、寄り添って、ベッドルームへ向かう。
ゆっくりと横になると、潤は、初めてしんどそうに眉をしかめた。
「薬は?飲んだか」
「うん……けど、あんま効いてない」
寒……、と、呟いて潤んだ瞳が閉じられる。
頬に触れたら、温もりを求めるようにすり寄ってきた。
「……寝ちまえよ。ここにいる」
「ん……」
少し開いた瞳に笑いかけてやると、潤はまた安心したように瞳を閉じた。
そのまましばらく様子をみてるうちに、やがて眠りにおちたのか、規則正しい寝息がきこえてきた。
ほっとしながら、よくよくみれば、陶器のような肌は、少し荒れ、唇もかさついてる。
目の下の隈も深い。
……無理しすぎだ。
若いときには、できてたことでも、互いにそうできない年齢になってきてるのは確かなのだから。
「あんまり心配かけんなよ……」
そっと囁いて、熱い額にキスをする。