第11章 愛 2
「んなもん……いつでもできんだろ」
「最初じゃなきゃ……意味ないのに」
ぶつぶつ言ってるけど、こいつの体の熱さに、俺は気が気じゃない。
仕方なく、俺はいつもなら素面では絶対言わない、とんでもない恥ずかしいことを言ってやった。
「……当たり前のことだけど……俺を抱いていいのはお前だけだ」
「………………」
「なら、今日しようが、明日しようが、40の俺と最初に寝るのはお前だろ」
「…………翔くん」
「……ったく、ほら、寝ろ。明日は何時だ?」
なんてこと言わすんだよ……
真っ赤な顔を見られまいと、うつむきながら体を離そうとして、俺は、がしっと肩をつかまえられた。
え?!と思う間もなく、顎をつかまれ……いつもより熱い唇があわさった。
啄むようなキスを数回。
潤は、名残惜しそうに、最後にチュッ……と、俺の額に口づけて、口を尖らせた。
「……もっとしたいけど、風邪うつったらだめだから我慢する」
「…………ああ」
いきなりするな、と、頭をはたきたいが、病人なだけに、ぐっとこらえる。