第11章 愛 2
残していたクラムチャウダーをたいらげ、ざっとシャワーを浴びた。
ビールをもう一缶飲み干してから、再びベッドルームに向かう。
明日はバラエティーの収録だけだから、入りは遅い。
あいつのスケジュールも確認したら、昼前の迎えみたいだから、二人で少し朝寝坊ができそうだった。
音をたてずに扉をあける。
ベッドサイドのライトでほんの少し照らされた潤の顔は、思ったより穏やかでほっとする。
……起きるんじゃねーぞ……?
不器用な手つきで、持ってきた冷却シートを額にはってやると、潤は少し気持ちよさそうな顔をした。
……よかった。
反対側から布団のなかに滑り込んだ。
キングサイズのベッドだから、二人で寝てもスペースは充分だが、俺のいびきでこいつを起こさないかだけが心配だ。
布団のなかで、投げ出された彼の熱い手のひらをさがしあて、指をそっと絡める。
……早くよくなれ。
祈りをこめて、寝顔をみつめる。
それに。
俺の誕生日当日に寝込むなんてこと……まさかしないよな?
すると、潤が、ん……と小さく唸って、こちらに寝返りをうった。
まるで、当たり前だ、と言わんばかりのそのタイミングに笑いをこらえて……俺もそっと目を閉じた。
元気になっていたら、ちゃんとしたキスでも、させようと、思いながら。
fin.