第11章 愛 2
顔色は青白いのに、頬だけ赤い……熱い。
困ったような色の瞳は潤んでる。
触れた手のひらから伝わる熱に、切なくなった。
頑張りすぎて、疲れがたまって……ってやつだ。
相葉くんが、よくやる失敗。
こいつは、そういうところ気を使ってると思ってたのに。
「……ベッドに行け」
吐息をついて、頭をポンポンと撫でると、潤はかぶりを振った。
「……翔くんが風呂からあがるまで待ってる」
「バカか。おまえ、明日も仕事だろ」
「そうだよ……」
「……そうだよって。体調管理も仕事のうちが、お前の口癖じゃないか」
だだっ子のような口調に、諭すように言ってきかせる。
熱のせいで、いつもの力強いオーラが消え、かわりにいつもは見れない弟気質な表情が表にでてきている。
泣き虫で甘えん坊で……俺たちにいじられてきた可愛いグループの末っ子。
いつのまにか、強くて頼りがいのある男に成長してたけど、俺らにとっては、いつまでも年下だ。
俺は、うつむき加減の潤に目をあわせるようにその場にしゃがんだ。