• テキストサイズ

it!《気象系BL》

第8章 祝





皿にのせるのも一苦労するほどの、ゴージャスモンブラン。
まるで蕎麦のように細く繊細なクリームが、見た目にも美しい。

翔くんは、にっこり笑った。


「入所25周年、おめでとう、潤」

「……ありがとう」


いい香りのするコーヒーを乾杯のように少しあげて、
二人で一口。
それから、フォークでクリームを口に運んだ。


「美味しい…!」

「さすが行列のできる店だね」


溶けるようなクリームに、舌鼓をうつ。


俺はもぐもぐ口を動かす翔くんをみつめ、あったかい気持ちになった。

実際に並んだのはマネージャーくんとはいえ。

美味しい店をリサーチし、段取りをたて、マネージャーを店に向かわせ、俺の好物をゲットして……こうして祝ってくれた。

なんて素敵な人だろう。



「翔くん」

「ん?」

「ありがとう……」

「うんうん」

「……愛してるよ」

「……っ……けほっ……けほっ」


盛大にむせた翔くんに、あわてて水をとりにゆく。
/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp