第7章 夢
夕飯……どうしようかなぁ
一人で食べる飯ほど、面倒でつまらないものはない。
松潤や相葉くんのように、手際よく料理ができれば別の話だが、生憎その能力は俺にはない。
疲れてるし。
……まぁ、食わなくても別にいいか
アルコールだけはふんだんに揃ってるから、チーズでもつまめば。
マネージャーに礼をいい、車をおりた。
タワーマンションのエントランスを通り抜ける。
コンシェルジュに頭をさげ、エレベーターに乗り込んだ。
いつもの風景。
だが。
「………っ…」
俺の部屋のある高層階に、たどりつき、歩いてゆくと。
扉の前で、一人の青年が座り込んでる。
心臓がどくんと鳴った。
シルエットでわかった。
……今日……来るなんて……
俺は、ドキドキする胸をおさえながら、そっと歩み寄った。
指が震える。
スマホで動画サイトかなにかをみていたらしき彼は、俺の気配にゆっくりと顔をあげた。
「……おかえり……翔くん」
ふにゃりと笑ったのは。
会いたくて会いたくて……俺が焦がれ続けてるあなた。
「…………寄り道しなくて……よかった」
思わず呟いた。