第5章 愛
言い出しっぺは、潤だったらしい。
「我々だって、何かはしたいと思ってたけど、こうやって集まるのはまだ早いかなって遠慮してたんだよ」
ニノが力説すれば、
「早いとか遅いとか関係ないでしょ。会いたいときが集まるときだと思ったし」
潤がさらりと流す。
「なんかもう懐かしいよね。1ヶ月もたってないのに」
相葉くんがにこにこ語れば、
「みんな頑張ってるよねぇ~」
と、無精髭をはやした兄さんが、のほほんと笑った。
「リーダー、休み中は髭はやすんすか」
「……え、別に決めてない。これはめんどくさかったからで……」
「似合うよーリーダー。ワイルドだよ!」
「だろぉ~?」
お酒片手に、目のまえで繰り広げられる、みんなの会話。
俺の誕生日を祝うために、潤が召集をかけてみたら、みんなスケジュールをあわせて来てくれたんだって。
「翔くん?飲んでる?」
隣に座ってる潤が、笑顔で顔をのぞきこんできた。
俺も笑って、中身が半分くらいになったグラスを見せた。
「うん……飲んでる」
「ウイスキーとかは?飲む?」
「いや、今はいい……なぁ、潤」
「ん?」
「なんで分かったんだ?」