第4章 永遠
40才の誕生日。
ずっとずっと走り続けてきたから、ちょこっとお休みする直前の……彼の最後の誕生日。
俺は、あの人に贈るものをここ数週間ずっと考えていた。
兄さんは、俺があげたものはなんでも喜んでくれる。
その昔、俺があげたバッグを、いまだに愛用してくれてたりするし。
ひそかにあげた、アクセサリーなんかも、プライベートでたまにつけてくれてる。
どうせならば、今回も喜んでくれて、かつ実用的なものと考えるのだけど……。
キャンプという趣味を最近覚えたあの人に、キャンプ用品も検討したが、あいにくそこまで詳しくないから、見当違いのものをおくりかねない。
……やっぱり…これから寒くなるし……あれかな。
兄さんの姿をもう一度目にして、自分の中にイメージをつくり、決めた。
新聞をゆっくりたたみ、傍らに置いていたスマホをの電源をいれる。
そろそろ注文しないと間に合わない。
履歴から、チェックしていたサイトを探しあて、手早く処理してゆく。
確認のメールが先方のサイトからとんできたタイミングで、メイクの順番がまわってきた。
荷物の到着予定日を確認して、俺は立ち上がった。