第3章 第一夜
刀剣side (※台詞中心)
スパァァァン────ッ
小「ハァ・・・・ハァ────ッ」
突然襖が大袈裟な音を立てて開くと、広間に居た男子達は驚いた表情で駆け込んできた小夜に近づいた。
?「だ、だいじょうぶですか小夜!そんなにあわててどうしたのです」
小「・・・・・・れた」
?「ん?何て・・・」
小「気付かれた・・・・」
?「・・・・ さか、尾行を、か」
浦島の言葉に、その場に居た刀剣たちが息を呑んだ。
この本丸で動ける刀は限られており、その中で1番機動と偵察力に優れている小夜が見つかってしまった──。
それが何を示しているのか、分からない刀剣男子達ではない。
小夜もまた 俯いたまま、無言でこくんと相槌を打つしかなかった。
言い知れぬ恐怖が背筋を伝い、全身の感覚を麻痺させて誰も言葉を発することが出来ずにただ震えていた。
浦「あの瘴気の中で小夜の存在に気付けるってことは、相当ヤバい奴だな・・・早めに手を打たねぇと」
小「これ以上、仲間を失いたくない・・・・」
?「そうですね・・・そう言えば 薬研とにっかりさんは?」
鯰尾が広間を見回すも呼ばれた当人達はその場に居合わせないようだ。
?「薬研とにっかりさんなら、たぶんちかしつじゃないですか。そろそろレイのジカンですし・・・」
今剣の言葉に誘われるように皆が一斉に壁に掛けられた振り子時計を見遣った。
(またあの声が・・・)
鯰「・・・仕方ない。あの二人を抜きにして、今動ける僕たちだけでそいつを倒しましょう」
小「うん、そうしよう・・・」
今「でも、いまつかえるカタナは薬研がもっています。ボクと小夜のは、はこぼれがひどくてつかいものにならないですし。カタナがないボクたちにどうやって・・・」
鯰「──それならいい手がある」
ニヤリと悪戯を思いついた子どものような笑顔で皆に作戦のうちを話す。
ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・・・
今「それはめいあんですね!」
鯰「だろ!万が一の為に取っておいた甲斐があるってもんだ」
浦「なら、俺も仕掛けの準備してくるぜ!」
小「僕も手伝う」
今「じゃあ、ボクはへやからアレをとってきますね」
それぞれ嬉々として自分の役割を果たすべく、広間を後にした。