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訳有り審神者と刀剣の事情・・・

第4章 第二夜


※ここから先は性的描写や暴力表現を含んできます。個人責任でお進みください。















"みつ・・・け・・・・ぁ"

薄闇を漂う意識のなか、誰かに呼ばれた気がした。


どこか、懐かしいような•••君は───。




「ふぅ・・・・・うんっ」


唇から吐息と一緒に呻き声を漏らしたカヲルは、重く張りついた瞼を何とか持ち上げ、まだ毒が抜けきっていない身体できごちなく周囲を見渡した。


(・・・ここは何でしょうねぇ)


政府の用意する本丸の基本構造は、どこも大抵一緒だ。
この本丸も例外ではないはずだが、カヲルの知る造りとは少し異なっていた。
英国に強い憧れを抱いていたのか、和室に不釣り合いなアンティーク調のチェストに小ぶりなライティングデスク。
壁紙もシックに統一されているのに茶室のような円窓障子が何ともチグハグだ。



(審神者部屋にしてはやけに広いし、離れにしては置いてある家具が書斎じみてる)



おそらく権力者が政府に圧をかけて作らせたか、勝手に改造した部屋なのだろう。壁から天井にかけて描かれた血のアートが、物々しいかぎりである。


(頸動脈か、首をはねたのか・・・ちょうど寝かされている辺りが現場というのも彼らなりの嫌味でしょうかね)


覚醒しきらない頭を働かせて状況把握に努めていれば、ふわりっ──。
甘ったるくも粉っぽい妖艶な香りが鼻につく。


「この香り、どこ・・・で、ん?」


身体を軽く持ち上げようと足と片腕を動かした際、やけにシーツの感触をリアルに感じた。
まさかと思って視線を自分の身体に向ければ──



「う、嘘でしょ・・・・」



裸だった。上体を起こしたことで少しずれた布団から見える下肢も、どう見たって全裸だ。

着物は治療で脱がされたと百歩譲って理解できるが、用心のためとはいえ、下着まで脱がせるのは些か度が行き過ぎている気がする。

(呪符も数珠も無ければ、刀もなし。盗られた勾玉のこんのすけは大丈夫だろうか・・・)


戦況は非常に不利なのにカヲルの頭はこんのすけの心配でいっぱいだった。




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夢現(ゆめうつつ)
些か(いささか)
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