第3章 第一夜
今日は何から何まで青江に甘えてばかりだと、苦笑いが漏れる。
再び視線を戻して、独特の朱文字が印象的な呪符をグシャグシャと握り潰した。手のひらが痛い。和紙とはいえ複数の角が柔らかい皮膚を刺してジクジクと痛む。
───ジクジクしているのは、手のひらかはたまた胸か。
忌ま忌ましい記憶に顔面が嫌悪で染まる。
彼がそそくさ退散した理由も、多分この呪符に関係がある。本人は軽く流すように言っていたが、あいつを連想させたに違いない。
俺たちが最後に仕えた、いや強制的に従わざる負えなかった相手。これまでの審神者のなかでも群を抜いて危険な男だった。
(駄目だ、落ち着け・・・オチツケ)
負の情が意識を蝕み、怒りと悲しみに支配されかける。それを掻き消すように勢いよく頭を振って気持ちを切り替えた。ここで俺まで闇落ちしてしまったら、この本丸はそれこそ終わりだ。
嘗てあった左腕の付け根が疼くのをこらえ、隣で眠っている男の顔を覗いた。
薬「これは、あんたが安全と判断するまで隠す・・・。悪く思うなよ、審神者」
それだけ告げると薬研もまた盆を持って薬品庫を後にしたのだった。
~+~+~+~+~
ここにきてまさかの薬研片腕説(笑)
はい、左腕ない感じです。次から第二夜に入ります!
ここまでお付き合いありがとうございました