第4章 第二夜
再び視線を落とすと、カヲルはまたしても不可解な点に気付いてしまった。
―――自分の股の間に何かいる。
大きさからして犬や猫ほどの膨らみだが、歴代の審神者がペットを飼っていたという報告は上がっていない。
森の野生動物が迷い込んできたとも考えられるが、なにせ本丸周囲は瘴気の森だ。生き物の生存事態が危ぶまれる。
そうなれば、消去法でこんのすけということになるが、この本丸に居た”こんのすけ”は勾玉の中。
これまで送り込まれて来た管狐と思いたいが、おそらく生きている者はいないだろう。
(まさか幽霊•••。いや、このご時世にそんな非科学的な現象が起こるはずがありません。)
(•••でも、それなら上体を起こそうと右膝を曲げた時に何にも触れなかったことの説明もつくっっ)
思考は混濁し、ひとり答えの出ない問に百面相を繰り広げていたカヲルだったが、ふと下腹部に違和感を感じて動きが止めた。
「ん•••っ、なに、ひゃん•••!」
太腿の付け根あたりを撫でられ、生暖かいものが這うような感覚にあられもない声が口をついてしまう。
そして、カヲルは己の取った行動に後悔した。
反射的にとはいえ、咄嗟に膨らみを掴んでしまったのだ。
「う、嘘ですよね••••これって」
掌から伝わる感触に、布越しからでも輪郭がハッキリと分かる。
――――これは
――――”ヒト”だ。
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瘴気(しょうき)
混濁(こんだく)
掌(てのひら)