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訳有り審神者と刀剣の事情・・・

第3章 第一夜




「こんのすけ、こんのすけ──!!」


呼び掛けに反応出来る余力もないのか、妖気は感じ取れるのに姿を見つけることが出来ない。


(はやく、早く見つけなければ──っ)


すると少し先の茂みから血塗れのこんのすけが倒れ込むように姿を現した。


「大丈夫ですか、こんのす──!?」


急いで抱き上げた腕に滴る生温い感触にカヲルは息を飲んだ。血で固まった毛の間から見える無数の裂傷痕、腹部には出来立ての禍禍しい傷が目に入る。
それも1つや2つの次元ではない。


まるで拷問を受けたような────



?「・・・・・・・げて」


虫の息で話すのもやっとなこんのすけが、何か伝えようと声を絞り出す。だが、掠れ過ぎてカヲルは聞き取ることが出来なかった。


「い、今なんて」



こ「お・・・・にげ、さ・・・わど──」



「に、にげ「はは!スキだらけだぞ、"人間"!!」」


突如茂みから現れた刀剣に一瞬反応が遅れ、飛び退くも肩口を鋭利なもので切られてしまった。


?「チェッ、外しちゃったか・・・」


至極残念そうに折れた刀に付いた血を振り取ると、間髪入れずに攻撃をしかけてくる。


(体半分が黒く染まっているが、あのオレンジの髪色。浦島虎徹・・・か)


冷静に情報分析するも、こんのすけを抱えた状態では攻撃に応戦することは不可能、ギリギリの所で避けるのが精一杯だ。


浦「ほら、どうしたの!?攻撃してこないと死んじゃうよ、あんた」

彼の言う通り細かい切傷が増えるばかりで、戦況は圧倒的にカヲルが不利である。


(一瞬でも相手の隙をつければ。何か、何か方法は・・・・これです!)


芝生が剥げてむき出しになっていた地面を不意に掴んだカヲルは、向かってくる浦島に思い切り砂利を投げつけた。


浦「うわっ!?くそ、目が!!てめぇーっ!」


上手いこと顔に当たったのか、一瞬動きが止まる。そんな好機を見過ごす程バカなカヲルではない。

袂から素早くお札を1枚出して、呪いを唱えながら前に放つ。すると、お札を中心に激しい突風が吹き付け、あっという間に浦島の体は中庭の建物に叩きつけられた。

─────
裂傷痕(れっしょうこん)
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