第4章 変わった世界
これから向かう島は貿易が盛んな島であった。リヴァース・マウンテンを超えるといくつかの選択肢を選ぶ事になるが、船員集めを考えた結果、人の多い島を選んだ。
その島では海賊も多く滞在しているが、島の住民の大半が元海賊であり商売をしている層は滞在している海賊に襲われても返り討ちにする程の実力者が多かった。そして、海賊が多く来るという事もあって海賊を目指す者が集まる場所でもある。船員集めをするにはうってつけだった。
「料理出来る人仲間にしようよ」
「何でわざわざ…」
「体調悪くする度に洗剤入りのお米食べたいの?」
「良し、戦闘員が少なくとも3人。料理人を1人。航海士まではいかなくともかじってる程度の奴が1人。最低でも5人は確保するぞ」
「あいあいキャプテン!」
朱里の助言と、ここに来るまでのベポの目まぐるしい忙しさを心配したのもあっての考え。もっともなその考えは頭に入っているものの、いざ探そうとなるとペンギンとシャチが各々盛り上がり始めている。
「よっし、どうせなら今度こそ女らしい奴とか良いよなぁ」
「いやいや、まず第1条件はキャプテンを尊敬出来るかだな!」
「確かに!それは大事だな!」
「その上でだ…俺らを敬う奴らだな!」
「言えてる!ベポどころか朱里も俺らの事年上と思ってねぇだろ!」
「ったく、本当にあいつは…」
「…記憶無くっても、同じ扱いなのはいっそこっちが尊敬するけどな!」
「…だな!」
そんな2人の会話も知らず、朱里はローに頼んで1人で買い物をしに行った。ローはベポと航海術をかじっている…出来れば航海士を探す事にした。
「キャプテン…良かったの?」
「…あいつが頼んできた事を拒否してまで一緒にいて、後からあの時聞いてやれば良かったと後悔するぐらいならな…」
「でも…ここって、他の海賊もいるし…」
「わざわざ朱里を狙う奴もそういないだろ」
「うーん…でも…女の子が1人って、危ないよ…」
「………」
分かってはいる。けれども、朱里がわざわざ頼んでまでしたいのならそれを尊重してやりたかった。万が一なんて起きないだろうと信じて。
それこそ、自分達と離れている間に今の朱里がいなくなってしまう事がない事を祈って。