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私の世界

第4章 変わった世界




「す、ね、て、る〜」


ローの部屋へと入る朱里。ローはソファーに座り不機嫌な顔をしていた。そんなローへ近付き、朱里は楽しそうに笑いながら隣に座った。


「何がご不満ですか」
「…何も」
「そっかぁ。…別にいいよ?外にいて、海に落ちて、溺れるローを私が助けてあげても」
「そ、っ!…れは、いらねぇ…」


そんな事じゃねぇ!と言いかけてローは思いとどまった。そんなローの思いを知ってか知らずは朱里は話を続けた。


「そういえばさ。レシピ本に一応私が覚えてる限りで付け足したりしたんだこっちの朱里に戻ったら伝えといてね」
「…あぁ…」
「…それとね、スカート。次の島で買おうかなって思ってる」
「いきなりどうした?」
「スカートで戦うとローが困りそうで楽しいかなって!」
「そういう目的なら止めてくれ」


朱里はまるで一分一秒が惜しいかのように、暇さえあれば話をした。話自体はとりとめもない事ばかりだが、少しでも思い出になるようにと朱里は沢山話をしていた。そして、笑顔を絶やさなかった。


「…次の島で、カメラ買うぞ」
「本当!?楽しみだなぁ、裸のツーショット撮って日記帳に挟んどこう!」
「そんなに修羅場を起こしたいのか」
「…かなり」


笑って話をして、それでもローの中の不安は消えない。朱里の中の不安は?本当に消えたのか?本当に奇跡のような事を信じているのか?それだけでこんなにも笑えるのか?


「…朱里」
「何?」
「好きだ」
「え、何、びっくりするじゃん!」
「…ばーか」
「ぐっ…その顔ムカつく…」


こんな一時がとてつもなく幸せに感じるのは、この時間が有限だと知ってるからなのか。いつ終わるかもしれない時間だからこそ惜しんでいるのか。
朱里が軽食を用意すると言って部屋を出る。また1人になったローは隠す人もいなくなったとばかりに悔しそうに顔を歪めて溜息を吐く。


「終わるなと思うのは…おかしいよな…」


数年過ごした朱里ともまた話をしたい。いつものように皆の前では素っ気ないくせに、2人きりになったら素直に甘えて来る彼女に会いたい。


「…それでも、今の朱里を手放せねぇ…」


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