第3章 新しい日々
『久しぶりに日記を書く。やはりこの世界にも小学生男子のような行動をする馬鹿は多く、今日は久々に絡まれた。変な2人組で、散々女のくせにと言われて腹が立って叩きのめした。こんな世界でも、男子というものはそういう生き物なのだろうか』
『2日連続でこっちの日記に書くとは思わなかった。まさかのガキ大将が出てきて笑いそうになった。どこの漫画だ。けど格好良かった。いや、私は19年生きてきたから大分年上だ。ロリコンじゃない。でも、女のくせにとは言われなかった。ちょっと気になった』
『3日連続日記を分けるとは驚いた。昨日来た奴がまた来た。とりあえず叩きのめした』
それ以上、朱里はページをめくれなかった。いつの間にか涙が出ていてローが後ろから抱き締めていた。
「…やっぱり…」
「朱里…」
「悪い、予感って…当たるんだね…」
「…朱里」
「わ、私…もしかしたらね、この世界の朱里は私の生まれ変わりで、前世の記憶持ちとかで…でも、今の私が結ばれないなら…ただの思い出になるなら、それでもいっかって…結局、生まれ変わった後に付き合えるならって…」
「朱里っ…」
「でも、これ、って…そうだよね…。…私が、今こうして、皆といる記憶…この世界の朱里は覚えてないんだね…?」
「朱里!」
既に1度、ロー達には自分達との記憶が大切な人から消えるという悲しい想いをさせている。なのに、自分はまたそんな想いをさせる事が分かってしまった。開き直ればいいじゃないか。元の世界に戻れる事は分かった。その後結局幸せになれるじゃないか。きっと自分はその内元の世界に戻れるではないか。それでいいじゃないか。そう考えても、朱里はたった2週間程のこの思い出を消したくなかった。
「お、おかしいな…私、元の世界で18年も生きてきたのに…ここの2週間程度の事…忘れるかもって…すっごく怖い…ねぇ、ロー…怖いよ…」
「っ…まだ、分かんねぇだろ!」
「ぅ、うう…」
「もしかしたら、このままお前のままかもしれねぇ…記憶障害になっても、そのまま死ぬまで治らない事だって…」
「っ、それじゃあ…!それじゃあ、ローの愛した人は、戻って、来ないじゃん…」