第3章 新しい日々
「それは何だ?」
「日記帳。鍵かかってないバージョン」
「そっちもあったのか…」
驚いている様子からして、この存在も知らなかったようだ。しかし、そんなに隠さなくてもこの内容なら見られても困らないのでは?そう思って朱里はローに日記帳を渡した。
「ん」
「…良いのか?」
「見られて困る内容は何も無いよ。これを見て怒る事はないと思う」
「そうか…」
どんな内容かとソワソワしながらローが日記を見る。数ページ見た後に朱里を見た。
「どこまで見たか知らないけど、私も同じ書き方する。どうせ自分だけしか見ないしって結構簡潔に書くよ」
「…そうか…」
引き続き見ていくと急に眉間に皺が寄っていた。どうしたのかと朱里が思うも、そのままローは最後まで見ていた。最後まで見ると日記帳を閉じ、暫く考え込んでいた。
「…おい、朱里」
「何?」
「この文字。これは何て読むんだ」
ふとローに呼ばれ、聞かれたのは漫画という文字は何と読むのか、だった。
「『まんが』でしょ、これぐらい何で読めないの?」
「その『まんが』ってのは何だ」
「何だって…え?」
「その『まんが』ってのが何なのかお前は分かってるんだな?」
「…うん」
頭が良くない朱里でも理解する。漫画という概念自体この世界にはないのだ。よくよく考えてみれば、こんな世界で漫画なんて物どう出版するんだという話だ。ただ、これでまた出てくる疑問。
「…この世界の朱里って…元々はこの世界の人間じゃない?」
「それは、そうだが…まさか…」
「まさか?」
「………すまねぇ、まだ考えが纏まってないようだ。…また話をする」
「え、ちょっと、待って…!」
何かを話そうとして、ローは話すのを止める。朱里1人では到底どういう事かも理解出来ず、部屋に残された朱里はただただ疑問が解消されずに悩むしかなかった。
「んん?つまり?どういう事?まさか?…同一人物?」
自分でも馬鹿だと思う頭であってもその結論には達した。達したけれども、説明出来ない違和感でまたモヤモヤとしていた。一体何の違和感があるというのか、ひたすらに考えてはああでもないこうでもないと1人考えるしかなかった。