第2章 新しい世界
その後、シャチも捜索に加わった結果鍵は見つかった。冷凍庫の奥に袋に包まれており、溶かす事も考えたらちょっとやそっとの事で開けるつもりがないのが分かる。
「ここまでして、何を隠してたんたろう…」
開ける時にはいない方が良いだろうとペンギンとシャチが離れていく。朱里は部屋に戻り、鍵を眺めていた。ローの部屋にあったらどうしようかと悩んでいたが、実際見つかってしまうとそれはそれで悩んでしまう朱里。
悩んでいる間に時間が過ぎていき、ふと部屋の扉をノックする音。一体何の用だろうと扉を開けるとそこにはローがいた。
「…どうしたの?」
「いや…机の鍵を探してたって聞いてな…」
「あぁ、見つかったけど…」
「………内容によっては、俺も知りたい」
どうやらペンギンとシャチから聞いてどうしても知りたいローは、我慢出来ずにわざわざ来たらしい。そんな様子のローを見て、無理矢理見ようとして海に落とされて死にかけたのに懲りないのか、と朱里は呆れていた。
「いや…私が見るのさえもどうかと思うのに…ちょっと、それは…」
「…お前が見て大丈夫だと思ったら教えてくれ」
普段は殆ど同一視してるくせにこういう時だけ都合良く解釈しちゃうのか…多分、私と同じ性格なら駄目なもんは駄目だと思う。そんな事を思いながらも何か少しでもこの世界の朱里との違いを見付けたくて、朱里は見る事を決めた。
「もう面倒だし、たまたま開けたら貴方がいたって事にしよう」
ガチャ、と鍵穴に鍵が入り開く音がする。どうにも緊張してならない状態で恐る恐る引き出しを開けると、そこにはノートが数冊と鍵付きの日記帳が入っていた。
「…何だこれ」
「知らないよ…」
ノートを手に取り数ページめくると、どうやら和食のレシピが書き留められているようだった。他のノートも、料理のレシピ…基本が和食であった。ローからすれば何故これを隠すのかと疑問に思っただろうが、朱里からすればこのレシピに対して恐怖すら湧いてきていた。
「おい、お前…顔真っ青だぞ…」
心配しているローの声すら耳に入らない朱里。ただ沢山あるレシピを見れば見る程朱里は言い様のない恐怖に襲われていた。
「これ、お母さんが教えてくれたレシピ…」