第2章 新しい世界
「待てよ…!?」
急にペンギンが声を荒らげる。何事かと朱里がドキドキしていると、ペンギンが真剣な顔を朱里に向けてくる。
「俺、お前の捜し物知らねぇ」
「…そう言えば言ってない」
2人して真顔で顔を見合わせ、数秒経ってペンギンが笑い出す。それを見ていると朱里も堪えきれずに笑い出した。
「あはは!捜し物知らないで!探し続けてたとか!」
「全くだ!馬鹿だな俺!」
そうして暫く笑っていると笑い声を聞いてシャチが様子を見に来る。笑い続ける二人を見てどうしたのかと問い掛けてくるも、暫く笑っていて会話にもならなかった。
「はぁ…お腹痛い」
「俺もだよ…」
「馬鹿だなぁ、お前ら」
ようやく落ち着いた2人から事情を聞き、シャチも少し笑っていた。そんな状況に、朱里は少し悔しい思いをしていた。違う出会い方をしていれば、何も気にせず仲良く出来ただろうにな。もう自分にはどうにも出来ないのだと…こんな状況を恨むしかないのだと内心で思いながら笑って会話をする事にした。
「でね、捜し物ってのが鍵でさ…部屋の机に鍵かかってて、何が入ってるのか気になって…」
「あぁ、あそこの鍵か…そういや、キャプテンが開けようとして朱里が必死に隠してたなぁ。確かに、鍵があるとしたらここだな」
「あぁー…あれだな、キャプテンがシャンブルズで中身取り出そうとした瞬間を見て朱里がキャプテンを海に放り投げたんだよなぁ…」
「あれから、キャプテン絶対朱里の嫌がる事しなくなったよなぁ…」
「ベポが気付かなかったら死んでたしな…」
悪魔の実の能力者は金槌になる。そんな話を聞いていただけに朱里は愕然とする。そんなにもローに見られたくないものが入っているのか…なら、自分が見てもいいのか…そう悩み始めたのに気付いたのか、ペンギンとシャチが朱里に話し掛ける。
「お前は嫌がるかもしれないけど、お前はお前なんだからさ。気にせず見れば良いだろ」
「そうそう。朱里は朱里だから…自分の物なんだから気にすんなよ」
2人の言葉は、記憶障害である朱里に対して向けられた言葉。それを分かっているのに、朱里は腑に落ちない気持ちがあるままありがとうと応えた。