第2章 新しい世界
ご飯を食べ終え、食器を洗うのはペンギンかシャチの仕事なので後を頼み朱里は自室へと向かった。
部屋を用意する、というのに最初は不思議であった。何故この世界の朱里には自室がなかったのか…。ただ、ローの事を知りこの世界の朱里との関係性をベポから聞いていたのもあって納得はした。同じ部屋だったのか、と思うと別室を用意してもらえたのは有難かった。
ただ、正確には元々この世界の朱里の部屋であったらしい。服などはそのままあり、ベッドだけで布団が敷かれていないだけであった。使わないからと布団を物置にしまい込んでいたのと、タンス以外に近寄らなかったらしく埃が積もっていたのでその掃除をしてくれたらしい。
「言ってくれればしたのに…」
と言うと、驚いた目で見られた。それを見て朱里は察する。片付け苦手なのも一緒なのか、と。
「別に、苦手なだけでしないわけじゃないのに…」
そう言いながらも、タンスの中を見て実は本当に記憶がヘンテコになってしまっただけではないのか自分は…と落ち込みそうになるぐらい、自室にあるタンスと変わらないようだった。
「畳んで入れるだけじゃん…!」
そう言って、タンスを開ける度に整理しようと思いつつ結局後でしようと思い…またタンスを開ける度に同じ事の繰り返しをしている朱里であった。
そもそも、これが目的で自室に戻ったんじゃない!と自分に言い訳をして朱里はこの部屋にある机に向かった。
「ここの、鍵…どこなんだろう」
その机には鍵のかかった引き出しがあり、無理矢理壊すと机全体が壊れそうな古い物だったので困っていた。性格がほぼ同じなのにこれだけは意外で、鍵付き引き出しを使う事自体にビックリしている。昔小学生の時に大事なお菓子を入れて鍵を無くしてカビを繁殖させた事ならあるが…この世界の朱里は一体何を入れたというのか。ローの能力を使えば取れそうだったが、この世界の朱里が鍵をつけてまで隠してあるものをローに見られるのは良くないだろうと頼むのはやめていた。ならば自力でと頑張ってはいるが未だに開ける事は出来ていない。