第2章 新しい世界
「そういや、俺不思議だった事があるんだけどさ」
そう言って、ペンギンは里芋の煮っころがしを口の中に放り込み味わって飲み込んだ後に朱里を見る。
「記憶が無くなる前からだけど、朱里はどこで和食を覚えたんだ?」
今の朱里からの答えは簡単だ。この世界でいうワノ国という所と同じような場所が朱里の世界にあり、朱里はそこで生まれ育ったからだ。ただ、記憶が変わる前の朱里がとこで覚えたのか。それに関してはどうやら皆して知らないようであった。
「確かに。俺らのいた町って米はあったけど和食ってのは少なかったよな」
「キャプテンは確か…前に、いた場所でよく食べてたんだっけ?」
「…まぁな」
この世界での事を多少聞いているからこそ、確かにこの世界の朱里はどうやって和食を覚えたのか不思議である。この世界の朱里はローがペンギン達と出会った町で生まれ育ったらしい。そこでは、和食はたまたまワノ国から来た人間が多少教えた物ぐらいしかなかったらしい。
「俺なぁ…この白いの好きなんだよな」
ペンギンがそう言って食べているのは小松菜の白和えである。
「俺は味噌汁好きだなぁ」
そう言ってベポが飲んでいるのはわかめと玉葱の味噌汁だ。
「…まぁ、レパートリーをどうやって知ったのかは謎だな」
ローは鯖の味噌煮を口に放り込み、チラリと朱里を見た。
「…そういう話、しなかったの?」
自分からこの世界の朱里について知りたいとは思わないが、それでも浮かんだ疑問を抑える事が出来なかった。朱里がその疑問をぶつければ、ローは朱里の最近の様子を理解してるからこそなのか、言い淀む。
「…お前は、知って大丈夫なのか?」
「………あんまり知りたくないけど…気になったし…」
「そうか。…まぁ、聞いた事はある…ただ、その時に言われたのが…」
『ローの事信頼出来るようになったら私の秘密教えてあげていいよ』
一体この世界の朱里にどんな隠し事があったのか、今いる朱里には理解が出来なかった。ただ、自分と同じ理由なら面白いのにとだけ現実逃避のように笑うしかなかった。