• テキストサイズ

【free!】蒼の世界

第3章 面影のない君


月日が流れるのは早いと言うけれど、実際貴方と分かれてからの数年間…私の時間はとてもゆっくりだったように感じる。

退屈な毎日を過ごしていた。

自分の膝を抱えたまま瞳を瞑れば、まぶたの奥にはすぐにあの笑顔が浮かぶ。


…気持ちは数年前のあの忌まわしプールの中に沈めてきた。


なのに…。

掻き乱される。

昔を思い出す。

やっぱり水泳部とは関わるべきでは無かった。

そう思ってももう遅いことは、自分でもよく分かっている。


…ああ、だいぶ暖かくなったな。


体の力を抜いて地面に四肢を投げ出す。

仰向けになった私に眩しい太陽の光が降り注ぎ、直接瞳を刺激する。


春爛漫。

そして夏が来る。



私の嫌いな、夏が来るー…。




/ 98ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp