第3章 面影のない君
バシャバシャとプールの水が跳ね上がる光景に、私の眉が無意識にシワを刻む。
岩鳶水泳部マネージャーになって早二日。
仕事内容と言えば、飲み物やタオルを用意したり練習メニューを考えたり…。
昔水泳部員だったお陰か、練習メニューはそれなりに作ることが出来た。
…でも、監督が居ないこの水泳部は決定的に力不足だ。
個人で自分の欠点が分かったとしても、他人から見ないと分からない欠点もある訳で。
大っ嫌いな水泳部の為に何故ここまで考えないといけないんだと思いつつ、今日もマネージャーとしての仕事をする。
そして絶対に入りたくないプールの授業も…徐々に迫ってきているのだ。