第2章 マネージャー
遠い記憶を思い出して痛む胸と共に教室を出た私の足は、無意識のうちにあの場所へと向かっている。
これは一種の賭けみたいなもの。
もし…君達の言葉で私の心が揺れ動いたなら…。
その時は私も覚悟を決めようー…。
「ハル、ダメだって!」
「うるさい真琴」
「バレなきゃいいんだよっ」
「渚くんまで…!よくありませんっ!」
プールに近づくにつれ聞こえてくる水泳部員の言い合い。
ハルくんはすでに上着を脱ぎ捨て、後は下を脱げば完璧に水着になってしまう。
ってか、いつも下に水着履いてるのかな…?
それだけは、と必死に止めている真琴くんの隣で同じくシャツのボタンに手をかけてそれを脱ぎ捨てようとしている渚くん。
あわあわと慌てている怜くん。