第2章 マネージャー
「………はぁ」
結局、あのまま眠りに落ちてしまった私は2倍の宿題量というペナルティを受けた。
あの時寝てしまった自分を恨むが、寝てしまったものは仕方ない。
カバンに荷物を詰めて立ち上がる。
と、同時に窓の外に見覚えのある人物を見つけた。
ハルくんと真琴くんだ。
いや…厳密に言えば、ハルくんを止めている真琴くんと、それを振り切って歩いていくハルくん。
多分と言うか確実に、ハルくんの足はプールへと向かっている。
…真琴くんも大変だな。
窓の外に同情の視線を向けていると、後ろからひょこっと杏が顔を出した。
「あれ?真琴くん達と知り合いなの?」
私の視線を辿って窓の外を見た杏が口を開く。
「…まさか。水泳部は敵」
そこまで言って水泳部はまだ認められてないことを思い出した。
言うなれば、“水泳部(仮)”か。