第2章 マネージャー
「水泳部って、校内のイケメンが勢揃いしてるよね」
ふと、ハルくんと真琴くんの姿を目で追っていた杏がそんな事を口にした。
…イケメン?
そう考えれば4人とも顔は整っているし、校内ではイケメンの部類だろう。
ただ…。
「由真…?」
「なんでもない。早く帰ろ」
すでに姿が見えなくなった窓の外から視線を外し、私は教室内から出て行く。
「ちょっと待ってよー」
後ろからパタパタと私を追いかけてくる足音を聞きながら思い出していたのは、幼い頃に仲がよかった同じ水泳部の男の子。
私がイケメンと思うのは、今のところその男の子だけだ。
きっと成長した今も…あのキラキラとした笑顔は変わっていないだろう。