第2章 マネージャー
とりあえず私の口から出た言葉は、
「ここって何部?」
…だった。
一瞬きょとんとした真琴くんがすぐにああ、と声を漏らして苦笑いを浮かべる。
聞いてはいけない部分に触れてしまったのだろうかと少し心配になったが、真琴くんの表情を見てそうでは無いことを知った。
その表情はどう説明すれば相手に伝わるかを考える家庭教師のようなもので。
「水泳部はまだ正式の部活として認められてないんだ」
やがて真琴くんはそう言葉を繋いだ。
まだ認められてない…?
「水泳部として活動するには、あともう一人部員が必要なんだぁ!」
いきなり横から割って入ってきた黄色い頭から、水滴が飛ぶ。