第2章 マネージャー
前髪の奥から覗く真剣な瞳。
いやいやいや、君水泳部だろ。
っつか、ここ水泳部でしょ?
ツッコミ所は至るとこに存在するが、私から視線を逸らさないハルくんに口を開く事が出来ない。
…水泳部じゃないなら、ここは何部だ。
と言う結論が出た所で、ザブンッとプールから上がってきた真琴くんが髪をかきあげながらこちらに来た。
「2人とも見つめ合ってどうしたの?」
肌に張り付く真琴くんの緑がかった毛先から、ポタポタと水滴が落ちている。
「いや…あの…」
「マネージャー勧誘してた」
スパッと気持ちのいいくらにキッパリと言ったハルくんとは正反対に、私は口ごもってしまう。