第1章 水泳部と少女
「…ったく、水泳部見つけたらぶん殴ってやる!」
そう心に決めて立ち上がった時だった。
「なになに〜?君、水泳部希望者っ?!」
えっ?!
「あっ!」
ふわふわとした髪の可愛い系の男の子の不意打ちに、ビックリした私の体が完全に立ち上がる前に傾いた。
「危ないっ!」
反射的にその男の子が手を伸ばしたが、時すでに遅し。
バッシャーン!!
運悪く水で滑りやすくなっていたプールサイドで立て直すことが出来ず、私の体は真っ逆さまにプールに落ちてしまった。
「渚っ?!いきなり声かけちゃダメだろー!」
「うー、ごめん。大丈夫ー?!」
プールの中で聞く声はくぐもっていて、揺らぐ水をのぞき込んでこちらを伺う黄色い頭が辛うじて見える。
っ、苦し…。
深い。
足、つかない…!
がぼっと口から出た泡が上にあがっていくのが見えた。