第2章 マネージャー
「…水が怖いのか?」
核心に迫る言葉にビクッと体が強張り、その様子を見たハルくんは、やっぱりかと呟いた。
「……何で…分かったの?」
少し震える声で尋ねると、ハルくんは一瞬私を見た後でプールに視線を向けるとゆっくりと口を開いた。
「この間助けた時に…。体、震えてただろ」
椅子に座っている状態ではハルくんの表情はよく見えない。
…バレてたのか…。
何でも見透かしてしまうハルくんの視線から逃れる様に視線を下に落とす。
「ハルくんは…水、好きでしょう?」
「…?あぁ…」
カコッとパイプ椅子が地面と面する部分をバネに、足を引き寄せ体育座りをする。
そうしてせめても、と自分を守ってから口を開いた。
「好きだからこそ…一度裏切られたらとことん嫌いになるんだよ」