第2章 マネージャー
「………」
「………」
…静寂が、私とハルくんの間を支配する。
言葉を聞いた瞬間、目を見開いたハルくんの感情は私には分からない。
驚きなのか、そんな考え方もあるのかと言う思いなのか…。
何にせよ私はそれ以上は口を開かずに、自分の身を守るための体育座りをキープしたまま渚くん達を眺めていた。
足が水を蹴り上げる度に跳ね上がった水しぶきがキラキラと反射しながら落ちていくー…。
「……由真」
……………。
……………はい??
「間違ってたか?」
「いっいえ…っ」
びっっくりした…!!
ハルくんがいきなり下の名前で呼ぶものだから、私の心臓が嫌な音を立てた。
……一瞬、息するの忘れたんだけど。
先程思わず敬語で返してしまったことからも自分がどれだけ動揺したかが分かる。
本当…心臓に悪い…。