第2章 マネージャー
眠たくなる午後の授業を終え、あくびを噛み殺しながら帰り支度をする。
ふと窓から下を見るとばたばたと走っていく黄色頭とそれを追いかけるメガネ…。
渚くんと怜くん…か。
暖かくなって来たから思いっきり泳いでるんだろうな、と考えてふと思った。
…ハルくんはどうなんだろうか。
暖かくなって来たと言っても水はまだ冷たい。
それでも以前よりは泳ぎやすくなっているのだろう。
ハルくんの泳ぎに変化はあるのだろうか、それとも相変わらずの美しさで泳いでいるのだろうか。
一度気になってしまえば見るまで納得が出来なくなってしまい、私は杏にばいばいと声をかけてから教室を出た。
遠くからなら、眺めていてもバレないだろう。
そう考えた私は上履きを履き替えるとぱたぱたとプールを目指して足を進めた。