第1章 水泳部と少女
そして何故か3人で帰り道を歩いていく。
…えっと、何でこんな事になってるんだ?
背の高い2人に囲まれて落ち着かない気持ちのままの私に、真琴くんがちょっと腰を折って話しかけてくる。
「由真ちゃんは電車?」
「あっ、うん」
「じゃあ駅まで送るね」
にこっと微笑む真琴くんに慌ててその提案を否定する。
「いやっ、いいよ!そこまでしてもらったら悪いし!」
カフェオレまで奢って貰った上にこんなことまで、と否定し続ける私にちょっと困ったように眉を下げた真琴くんはハルぅ、と隣に助けを求めた。
「真琴もこう言ってるし、時間も遅い。いいから黙って送られればいい」
「…っ、あ…ありがとう…」
そこまで言われては断れない。
しかもハルくんに言われると何故か強く断れなかった。