第7章 呪胎戴天
✦✦said#伏
負傷していた釘﨑を伊地知に預け
自身は現場に残り伏黒は虎杖と月瑠が戻るのを待っていた。
二人を信用していない訳ではない。ただ、やはり心配ではあるし不安だ。且つ虎杖が"もしも"の場合、伏黒は虎杖を私情で生かした責任として自分自身で彼を始末しなければならないと考えていた。
フッ
(──────!!生得領域が閉じた!中の特級が死んだんだ‥!あとは虎杖と月瑠が戻れば「奴なら戻らんぞ」
「!」
先程まで周囲に張り巡らされていた特級の領域が消失したことを肌で感じた。つまりそれは特級が死んだという事であり、月瑠達が戻れば任務完了も目前だ。
‥‥が伏黒の淡い期待は
見事に粉砕された。
「そう怯えるな、今は機嫌が良い。少し話そう」
「‥‥」
思考する前に背後に現れた人物。
それが虎杖でも月瑠でもなく両面宿儺だと悟ったときには、伏黒の身体は冷や汗をかき震えていた。嫌悪、緊張、脅え、鼓動が早くなり呼吸もままならない。
顔は伏せたまま視線だけで宿儺を追えば、ふと横抱きにして抱えられている月瑠が目に入る
「‥っ、‥!?月瑠、を、離せ‥‥!」
「?あぁ‥。心配せずとも死んでいない。まあ暫くは目覚めないだろうがな」
抱いていた月瑠を雨に濡れない木陰部分に降ろし、宿儺は話を続ける。
後ろ向きになって自分が見えない今この時でさえ
伏黒は両面宿儺に対しなにも行動が起こせない。
「小僧の場合、なんの"縛り"もなく俺を利用したツケだな。俺と代わるのに少々手こずっているようだ。
しかしまぁ、それも時間の問題だろ
そこで
今俺にできる事を考えた」
「‥‥?‥なっ、!、?!!」