第7章 呪胎戴天
「‥‥んな事俺がさせねぇよ」
「だろうな。だが俺にばかり構っていると
それこそ仲間が死ぬぞ?」
「いっひひひひぃひいひひひひ!」
虎杖の葛藤を他所に、呪霊は攻撃を仕掛けてくる。術式でもなんでもない、ただの呪力を飛ばしただけの攻撃を。小虫を潰すように楽しく、無邪気に。
(これ、は、前に月瑠がやっていた‥!!)
虎杖は先日のレクリエーションでこれと同じ物を見た。月瑠が呪霊に対して行った攻撃。
だが、呪力を飛ばすだけでこの威力だ。
今の自分では勝てないと両者が分かっている。
「───────伏黒!!!!」
「!!!!」
「釘﨑と月瑠を連れて領域から逃げろ!!
3人がここを出るまで俺が食い止める。出たら合図してくれ。
そしたら俺は、宿儺に代わる」
「な‥っできるわけねぇだろ!!特級相手に片腕で!!!だめだ‥!!」
「伏黒。‥‥頼む」
「、、!!」
自分達を格下だと舐めてふざけている今しかチャンスは無い。
虎杖はそう判断し、伏黒に月瑠と託した。
自分を信じた虎杖の目を見て、伏黒は奥歯を噛みしめ走り出す。
全員が助かる為には
この方法しかないと判断したのだ。