第7章 呪胎戴天
間違いなく自身の隣に今居るのは"特級呪霊"
呪いの中で最も高い難易度、脅威を目の当たりにして足がすくむ。
動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け!!
虎杖も伏黒もそればかりを頭で考え続けた。
『───────人を助けろ』
「っ、ァァァあぁあ!!」
祖父の言葉がふと頭をよぎり、考えをまとめるより先に虎杖は五条から受け取った呪具を振り上げる。
ボトッッ
虎杖が振り上げた刀は呪霊に届く事はなく
一瞬の内に自身の手首が床に転がった。
強者との、力の差だった。
「ぅぅううう"んっっ!」
虎杖の手を切り落とした特級はまるで楽しい玩具で遊ぶかのように笑みを浮かべる。
「‥‥っ、ァ"‥くそッ、‥ここまで近付かれたらもう逃げらんねぇ。おい宿儺!俺が死んだらお前も死ぬんだろ!!それが嫌なら協力しろよ!」
「断る」
「!!」
「オマエの中の俺が終わろうと、切り分けた魂はまだ18もある。‥‥とはいえ、腹立たしい事にこの身体の支配者は俺ではない。代わりたいのなら変わるが良い
だがその時は、呪霊より先にそこのガキを殺す
次にあの短髪の女だ。アレは活きがいい」
興奮により痛みを緩和しながらの懇願を
両面宿儺はいともあっさりと否定した。
虎杖の頬から顔を出し、苦しむ様を楽しんでいるのだ。