第7章 呪胎戴天
とぷん、と音をたて
先ずは釘﨑野薔薇が、そして次に月瑠が黒い水溜りの中へ引きずり込まれる。
「釘﨑!月瑠‥!」
何が起きたか理解ができなかった伏黒と虎杖が二人の名を呼ぶが、空に切るだけで返事など無い。
「な‥っ呪いは玉犬が‥っ!?」
伏黒はけして油断していた訳ではなかった
しかしながら呪いを探知し伝える筈の玉犬白は自身の背後で無惨に殺されていた。
その事実を受け止める前に頬を汗が伝う。
逃げなければ
逃げなければ
本能がそう叫んだ。
あんな言い争いなどしなければ
月瑠が"逃げろ"と伝える言葉をもっと早く理解していば。
「虎杖、逃げ───────」
"逃げるぞ"
そう言おうとした時だった。
虎杖と伏黒に挟まれるようにして
特級の呪霊が現れた。