第7章 呪胎戴天
"助ける気のない人間"
伏黒恵は確かにそう言った。
その言葉を聞き、虎杖は伏黒の胸倉を掴み眉間に筋を作る
「‥どういう意味だよ」
「ここは少年院だぞ。そいつは無免許運転で下校中の女児を撥ねてる。"2度目"の無免許運転だ」
「!!」
呪術師には任務遂行の為に
現場のあらゆる情報が与えられる。
少年院という今回の現場は犯罪や非行を行った者の更生施設だ。伏黒にも"助けたくない"と考える十分な理由があった。
「虎杖、お前は大勢の人間を助け正しい死に導くことに拘ってるな。
だが自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする」
「‥っ、!じゃあなんで!俺は助けたんだよ!」
二人の意見はこの時どこまでいっても平行線のように感じた。
人には不平等な現実だけが平等に与えられる。
これが伏黒恵の考え方。
因果応報は全自動ではなく
悪人は法の下で初めて裁かれる。
だから
少しでも多くの善人が、自分の大切な人が
平等を享受できるように。
伏黒は自分の意思で───────
「いい加減にしろ!時と場所を弁えなさいよ!!」
「───────!!まって!!3人とも逃げ「!!!!」」
虎杖と伏黒の一触即発な空気を止めるため野薔薇と月瑠が近付こうとした時だった。
瞬間感じた大きな呪力
3人を逃がす為自身の呪力を込めるも
すでに遅い