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【呪術廻戦】/無題/

第6章 /休日/徊詮/



───────
ネットで噂になっているという廃ビルに訪れてみれば、まだ微弱ではあるが確かに呪いの気を帯びていた。
今からここに発生した呪いの噂にになぞらえて刺激し、呪霊の活きを良くしようとしているのだ。どう考えても発想がやばいやつのそれだが、高専生徒たちの成長の為だと言う事で黙認する。
もちろん、周りへの被害は考慮して。

「……」
「月瑠?」




「……

 呪いはいつまで経っても無くならないのね」

「………」


「!どうしたの五条」
「いや…取り敢えず、中行くよ」



──────その言葉は無意識か。
ぽつりと呟いた月瑠の台詞は、凄く重いものだった。

日本国内での怪死者・行方不明者は年平均1万人を超える。
その原因の殆どが、ヒトの負の感情から生まれる呪いの被害だ。故に、ヒトに喜怒哀楽がある以上消える事は無いと言っても良いだろう。
その上ネット社会の今、小さな火種から膨れ上がる呪いはとても恐ろしいものとなっていた。

彼女がいつから存在しているのかは分からない。
記憶が曖昧な月瑠が無意識に発したそれは、古くから…それとも生まれた時からか。真実は確定しないが
呪いと長く対峙していたことは事実だろう



ビル内へ入り、五条は放置されている真空管アンプを動かしたり、噂になぞらえてレコードを流す。
それを月瑠は側で手伝うが、わざわざ活性化させている呪霊を自分含めた一年で今後祓うのだ。やっていることがめちゃくちゃすぎてため息が出そうだった。

「伏黒や野薔薇はともかく、私と悠仁は大きな戦力にならないのに、活性化させて良いの?」
「良いの良いの。活性化させてもせいぜい3級、2級程度だろうし、経験を積ませる為なんだから。……それに、"今は"術式使えない悠仁だって身体能力に加えこれから伸びる可能性は大いにあるし、月瑠は戦力になるでしょ」


「……私も術式使えな「───嘘でしょ?それ」 


自分も術式が使えないと言う台詞は、言い終わる前に五条に止められた。
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