第5章 鉄骨娘
───────
呪いも祓い終わり、五条たちが少年を家に届ける頃には既に夕方になっていた。今回呪霊を祓った月瑠ら3人は休憩がてらビル前の階段で休んでいる。
「あたし、お腹減ると機嫌悪いの知ってた?」
「不機嫌じゃない時あんのかよ…」
「まあ…五条と伏黒ももうすぐ戻ってくるでしょ」
釘﨑はたんたんと足を鳴らしてイラつきを表現しているようだった。
月瑠も虎杖も、もちろん同様に空腹である。お昼も食べないまま呪霊を祓いにいき、子供を家に届け全てが終わる頃には住宅から晩御飯の匂いがしてくるのだ。
匂いに誘われ、空腹感を刺激されるのも無理はない
「お疲れサマンサー!」
「!」
疲れている3人とはかけ離れたようなテンションで
子供を家まで送り届けた五条と伏黒が帰ってきた。
あの子も怖い経験をしたが、最後は笑顔で家へ戻ったから大丈夫だろう。
虎杖と釘﨑は五条を見るや真剣な顔で構える。
狙いは、当然
「今度こそ飯行こっか!」
「ビフテキ!!」
「シースー!!」
「まっかせなさーーい!」
待ちに待った夕食である。とにかく東京のご飯が2人は楽しみだった。
数秒前までのテンションの下がり様はどこへやら、一気に元気になった虎杖たちは自分の要望を言いまくる。
一方で伏黒は黙々とスマホでネットを開きおすすめの店をサーチしている。
「月瑠は何がいい?」
「!…お寿司‥!えっと、実は行ってみたい所があるの…!!」
「月瑠は分かってるわね!やっぱ寿司よ寿司!」
無言の伏黒はスルーして月瑠にも要望を聞いてみるが、まさかまさかで行きたいところがあると意見した。
自分と共通の要望で釘﨑は歓喜する。