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【呪術廻戦】/無題/

第1章 開幕



「─────!」
無理矢理に封印を解いた瞬間中から現れたものに一瞬驚き、反射的に抱きとめる
普段は飄々とした五条がこんな驚いた気分になったのはいつぶりか

まるで砂が零れ落ちるかのように、中央に浮かんでいた"それ"は簡単に崩れた
本当に、拍子抜けな程
けれど五条が驚いたことはそんなものではなく、その中から出現した物体そのものである
それは
呪力を帯びた───若い女だった


「若い女」というよりは、見た目10代後半程度の少女だろうか
意識はない。腰くらいまでの長さがある白髪と、透き通るような白い肌
目を閉じている状態でもわかる整った顔立ち
肌を隠す服は身に着けておらず彼女の妖艶さを際立たせた


五条はそんな彼女を見つめ、停止している
流石に人間が封印されているなど予想外だった
いや────本当に人間なのかも確証は無い
事実ヒトの形を模した呪霊などはこれまでも見てきた
しかしながら、五条の腕の中で眠る彼女に似たものを、彼は知っている


現在日本に4人しか存在しない特級呪術師の1人
乙骨憂太だ

彼は以前、あるものに憑かれ『呪われていた』
実際、厳密には語弊がある部分も含むが今はそんな事はどうでもいい
呪われていた乙骨と、現在五条に抱かれている彼女は少しだけ似ているものを感じた

が、少女は乙骨とは似て異なるものだとも思う
確かに彼女も呪いに「憑かれている」のではあるのだが、彼女自身から感じるこれは‥‥‥
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